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動画で解説
このページの内容を簡単に動画でまとめています。
ぶっちゃけ鍼灸師
【準備編】
・患者の姿勢
患者がリラックスしている姿勢が重要です。
理由は筋肉が作用していると硬くなり刺入痛も出やすくなります。
腹臥位のときにあごを枕に乗せるのをやめてもらったり、
側臥位では抱き枕を使用したり、
仰臥位で膝枕を使用するなど注意を払います。
・室温
室温が低いと(熱が逃げないよう)筋肉が収縮気味になり刺入痛が出やすくなります。
中国の書では「25℃以上じゃないと、得気をえられない」とも言われているので
冬場では25℃を目安にして夏場なら28℃にして扇風機等で対応します・
・術者の体温
術者の手が冷たいと、患者の筋肉を収縮させて刺入痛が出やすくなります。
なので「お湯」で手を洗ったりしましょう。
冬場や「夏場のクーラー状態」では、術者も長袖やカーディガンを着ましょう。
なぜなら、術者の体温が下がると(体温を維持しようと)末端の血流を低下させて手が冷たくなるからです。
・爪を切る
爪を深爪ぐらいにしておかないと、刺入時に爪が当たるので患者に不快に思われるでしょう。
深爪してからさらにヤスリをかけるとベストです。
・曲がってる鍼は使わない
治療院によっては滅菌処理をして鍼を再利用する場合があります。
鍼が曲がっていると刺入痛がでるので注意します。
ちなみに、鍼を回すとよくわかります。
【実践編】
・ゆっくり刺入
早い刺入よりも、ゆっくり刺入したほうが痛みが出にくいです。
目安は1秒間に1cmくらいです。
・刺入深度
鍼灸師によっては、切皮程度から刺入し始める人がいます。
「以前の動画」でも言ったように「浅い層」には痛覚が反応しやすいので
切皮である程度刺さった段階から刺入をすすめます。
・刺入方向
切皮時と同じ方向に刺入すれば刺入痛がでにくいです。
つまり、鍼管が立っていたのと同じ方向です。
切皮と違う方向に刺入しようとすると痛みが出やすくなります。
・鍼がたわまないように意識
刺入時に、鍼がまっすぐの状態を維持できるように意識しましょう
逆に鍼がたわむと痛みが出ます。
(ちなみに、たとえまっすぐ入れたつもりでも鍼は体内で曲がっていきます。ただ体外でたわんでいると痛いので注意しましょう)
・送り込み刺入
学校では「送り込み刺入」を習ったと思います。
(初心を忘れる人もいますが)
中指を支点にした「送り込み刺入」のほうが痛みが出にくいです。
・押手はソフト
押手は(学校で習ったくらいの)ソフトさで構いません。
強くしすぎるとまっすぐ刺入できない場合もあるので注意してください。
また、患者の体に触れるときもソフトにしないとビックリして筋緊張を高めますので注意してください
ソフトに触れて軽く前揉法をするほうがベストでしょう。
・見える血管は避ける
血管に当たると痛いので、もちろんですが見えている血管は避けます。
【マインド編】
・「痛い」は悪くない場合も
トリガーポイントでは得気が出やすくなります。
中国の書では、得気がないと治らないとも言うくらいなので「痛い」は100%悪者ではありません。
ちゃんと悪い筋肉を選べている証拠でもあります。
※ビリっとくる感覚と得気は別物なので注意してください。
詳細は以前の記事を参考にしてください。
・骨に当たると痛い
深鍼(中国鍼)では、鍼を骨に当てていきます。
理由は、骨に当てたほうが安全という場合と、深層筋を狙うためです。
ただ、骨には骨膜での侵害刺激がどうしても痛くなりやすいので、しょうがない部分があるのです。
ですが、深層筋を狙わないと、治らない疾患も多いので
患者さんにそのように説明すれば納得していただけます。
【スムーズ編】
ぶっちゃけ鍼灸師
・太い鍼を使用
深鍼(中国鍼)では、深層筋を狙います。
深層筋は、姿勢保持に使われる筋肉なので硬くなっています。
それなのに(筋肉にもよりますが)3番などを使っているとなかなか入りません。
ですから、5番・8番・10番など筋肉によって変更するのが中国鍼です。
もちろん「痛くない切皮」をすれば10番でも痛くありませんのでご安心を。
・圧力が弱い
鍼を挟む力が弱いとスムーズに刺入できません。
ある程度しっかりと挟むようにしてください。
・中国鍼を使う
中国鍼は、深く刺すために設計されているので、鍼柄が長くて太いです。
すごく刺入しやすいので、中国鍼を試してみてもよいでしょう。
日本のメーカーさんでも中国鍼を扱っているところもあります。
・指サックを使用
指サックをすれば鍼が滑らずにやりやすいです。
大腰筋や腸骨筋などガチガチになっている人には、私も使用します。
私は親指だけつけます。
理由は人差し指につけると、切皮しにくくなるからです。