風池「対側の眼」に向けてはいけない(安全・効果的な刺入方法)

風池 対側の眼 間違いです

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。
風池の刺入方向

ぶっちゃけ鍼灸師

風池は「対側の眼に向けて」刺入するように聞いたことがあるかもしれません。
ですがそれは大間違いです。
このページを見れば間違いの理由、並びに安全に効率よく刺す方法がわかります。

・昔は「対側の眼」に向けていた

風池 間違った刺入方向

ポイント
実際に、日本の鍼灸書でも「対側の眼に向けて」刺入するように書かれているのを見たことがあります。
ですが、対側の眼に向けると、大後頭孔から脳に向かうので大変危険です。

事実、中国の「文革時代」では、対側に向け深刺しが行われていたので、刺鍼事故も多かったようです。
現在では「風池は鼻先に向けて刺入」に変更されていますが、もっと安全な方法があります。

・風池はどうやって刺してますか?

後頭下筋群
「風池」に刺鍼する場合「深度1~2cm」で留める鍼灸師が多いかと思います。

がしかしそれでは、効率よく後頭下筋群が緩められず、肩こりはおろか風池の効能である「頭痛・めまい・耳鳴り・眼疾患・鼻疾患」などの治療効果が落ちてしまします。

だからといって「風池」は怖くて深く刺せないというかたご安心を。
風池に安全に効率よく刺鍼する方法をご紹介します。

・風池に安全に刺鍼する方法

風池 正しい刺入方向
風池に安全にかつ効率よく刺鍼する方法は、
上風池(風池の約1cm上)から、頭蓋骨に添わせて下向きに刺入していく方法です。
(内側にも向けないでください)

下向きなので、大後頭孔には絶対に向かいません。
深く刺し骨にあたっても環椎にあたります。

ポイント
また、後頭下筋群は頭蓋骨に付着しているので効果を最大限に出すことができます。
【痛み・症状】の多くは、該当筋肉が凝り、付近の神経を締め付けるために起こるものです。
だからこそ風池が「めまい・耳鳴り」に効くとされているのです。
注意
ただし、風池の深鍼をする際は、必ず現場で熟練者から習ってからにしてください。