鍼の本数は多い方が良い?少ないほうが良い?(ドーゼオーバー・暈鍼)

鍼灸治療

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

鍼灸治療の鍼の本数は多い方が良いのか?少ない方が良いのか?これについて考察します。
メリット・デメリットや、刺激量についても考察しているのでぜひ最後まで御覧ください。

・流派によってわかれる

ポイント
鍼灸治療には、さまざまな流派があります。
各流派によっても、本数がわかれます。

多いほうだと1回の治療で50本以上
少ないほうだと1回の治療で1~2本
平均だと10本~20本くらいです。

メリット・デメリット

多いことのメリット
・患者が満足しやすい
・いろいろな筋肉(箇所)をほぐせて治療効果が高まりやすい
多いことのデメリット
・費用がかさみやすい
・患者の負担が多くなりやすい
・治療時間が長くなる
少ないことのメリット
・費用が安くなる
・患者の負担が少ない
・治療時間が短くなる
(1本鍼で問診に40分以上かける流派もあります。)
少ないことのデメリット
・患者が満足しない場合がある
・1~2箇所だけなので証(治療推測)を外すと効果が下がりやすい

ぶっちゃけ鍼灸師

メリット・デメリットは、私個人の主観も含まれており、
すべてに当てはまるとはいえないので、あらかじめご了承ください。

多く刺さないほうが良いのでは?という誤解

ぶっちゃけ鍼灸師

鍼灸師の中には、「多く刺したらなんとなく良くないのでは?」と考えている人もいると思います。
おそらく「ドーゼオーバー・暈鍼・切皮痛」について心配していると思うので解説しておきます。

ドーゼオーバー(刺激量過多)

鍼の本数が多いとドーゼオーバーを心配するかもしれません。

ドーゼオーバーとは、マッサージの揉み返しのようなもので鍼では「鍼ごわり」などと呼ばれます。
この「鍼ごわり」ですが、本数はあまり関係ありません。

「鍼ごわり」しやすいのは、パルス(電気鍼)で強刺激を長時間当てた時と、雀啄・撚鍼ねんしん(鍼の操作)を血管・神経のそばでやりすぎた場合に起こります。

暈鍼

暈鍼うんしんは、鍼治療後に血圧が下がって「冷や汗・動機・眩暈・顔面蒼白」などが起こることをいいます。
主に首を治療する場合に多く、
また、「体調不良・睡眠不足・過度の空腹時・鍼が初めてで過度に緊張する場合」に起こるのでそこに気をつければ問題ありません。

切皮痛・刺入痛

切皮痛に関して言えば、「痛くない切皮痛」をマスターすれば、ほとんど切皮痛なく鍼を多く打てます。

刺入痛に関しては、多くは鍼がトリガーポイントに向かっているために起こるので
それを見極め、患者さんに話せば納得していただけます。

注意
鍼は、副作用がないですから、50本打とうが身体に悪影響はありません。
私自身、患者さんに50本以上打ったことありますし、受けたことも何度もあります。

また美容鍼など、顔にたくさん打っていますが、問題がないのでたくさん打っているのだと思います。

患者様におすすめするのは?

ぶっちゃけ鍼灸師

患者さんは「鍼は多いのか少ないのか」で迷うよりも、
「治るか治らないか」で鍼灸院を選びましょう。

10回受けて、「その日だけマシ」という状態ならば変えたほうがよいと思います。

鍼灸師・学生におすすめするのは?

実際に受けたり、勉強してみて、自分が納得のいく治療法を模索すればよいと思います。
とくに「本数が多い・少ない」両方とも経験すれば、納得がいくのではないでしょうか。