「鍼灸」局所治療で狙うべきポイント(治療範囲を広げると効果アップ)

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

局所治療を行っても、なかなか改善しなくて困っていませんか?
このページでは、局所治療の視野を広げて、治療効果を上げるポイントを紹介します。
最後まで見ると、局所治療がさらに得意になりますよ。

視野を広げるとは

ポイント
五十肩に、肩周りしか鍼をしてないですか?
膝痛に、膝周りしか鍼をしてないですか?

それだと、治る確率が下がってしまいます。

反対に治療範囲(視野)を広げると、治る確率がグッと上がります。

治療範囲とは

まず、上半身と下半身にわけます。
そして、神経の走行によって大きく3箇所(ABC)にわけるのです。

例えば、上肢のしびれという主訴だとします。
その場合、A首・B肩関節付近・C上肢と大きく3箇所にわけるのです。
上肢の治療ポイント
理由は、いかなる場合も脊柱付近は治療します。なぜなら、すべての神経は脊髄から出ており、
首が凝っていると神経の根本部分を圧迫し、さまざまな弊害を起こすからです。

続いて、肩関節付近とはいわば、途中で神経の圧迫を受けそうな部位を治療します。
最後は、主訴の部分である上肢を治療します。

この3点を漠然と治療するのではなく、そこからさらに問診・圧痛を総合させて取穴します。

足のしびれの場合

ふくらはぎのしびれが主訴としましょう。
こちらも、神経の走行上に大きくわけて3箇所(ABC)に範囲を広げます。
下肢の治療ポイント
まずはA腰の大腰筋(なぜなら足の神経は腰神経叢から出ているからです)
続いて、途中部位のB臀部あたり (梨状筋・中小臀筋・腸骨筋・大腿二頭筋)などを視野にいれ
最後にCふくらはぎの筋肉も治療するわけです。圧痛をみて梨状筋に刺したり、

仰向けで寝たら、腰が痛いなどの主訴があれば大腰筋を疑ったりなど、
問診・圧痛によりさらにふるいにかけていくのです。

肩こりの場合

肩こりの場合でも、神経の走行上をポイントに、治療範囲を広く考えましょう。
上肢の治療ポイント
A脊柱付近は当然です。
B肩周りも治療し、C上肢も治療します。
上肢を治療するのは、上肢での神経圧迫が、
肩こりの原因になっているケースもあるからです。
上肢の主要穴(合谷・曲池・手三里)などに鍼をしてもいいですし、
圧痛をみて、屈筋群・伸筋群を緩めてあげるのもよいでしょう。

つまり、神経の走行をみる

どのような「痛み・しびれ」においても、脊柱からでて、末梢にいたるまで神経の走行上で
治療範囲を広げると、治療効果が高くなるのです。

理由は、神経の圧迫を近位・中位・遠位で取ってあげることにより
相乗的に効果が上がる場合もありますし、
術者が見落としているトリガーポイントを発見できる場合もあるからです。

鍼の数を増やさないほうが良いのでは?

治療範囲を広げると、当然、鍼の本数も増えます。
鍼の本数が増えても基本的に悪いことはありません。
このテーマについては、次回深掘りしたいと思います。

ぶっちゃけ鍼灸師

今回は、治療範囲を広げると、効果が上がるというお話でした。
別ページの「ツボが効かない理由」もご覧になるより理解が深まるかと思います。