腰の【前屈・後屈・側屈】によってわかる腰痛の判別法

腰の後屈痛

ぶっちゃけ鍼灸師

腰の治療を行う前に、腰の動きを見る治療家さんも多いと思います。
腰の動きとは、具体的に【前屈痛・後屈痛・側屈痛】を見ることです。

注意
しかし、この腰の【前屈痛・後屈痛・側屈痛】ですが、参考書によっては、言っていることがチグハグであったり、
また、わかりにくかったり・覚えにくかったりします。

ぶっちゃけ鍼灸師

そこで、私が最終的にたどり着いた、簡単な腰の【前屈・後屈・側屈】によってわかる腰痛の判別法というものをお話できればと思います。

まず、一般的な参考書に書かれている内容

こちらの本を参考にしました。
ポケット鍼灸臨床ガイド

前屈痛

急性腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの急性期、可能性、結核性などの脊椎の炎症で、陽性となる。
椎間板障害では、指床間距離(FFD)が大きくなる

後屈痛

椎間関節障害や、分離症では後屈制限を生じることが多い

まとめ
筋性、椎間関節性、椎弓・椎間板障害など、それぞれの状態により疼痛部位が変化するので、疼痛部位の確認に注意を払う

ぶっちゃけ鍼灸師

いかがでしょうか?
前屈痛にも後屈痛にも、どちらにも椎間板障害と出てきていますよね。
ややこしいし、実際に患者さんにやってみても、いまいち把握しづらいですよね。

そこで、これからお話するのは、もっとシンプルでわかりやすい
腰の【前屈・後屈・側屈】によってわかる腰痛判別法の解説です。

おすすめのシンプル判別法はこちら

前屈痛

腰の前屈痛
前屈時に伸ばされる筋肉が、筋緊張を起こしている

主な筋肉
・脊柱起立筋(胸最長筋・腰腸肋筋など)
・多裂筋

後屈痛

腰の後屈痛
後屈時に伸ばされる筋肉が、筋緊張を起こしている

主な筋肉
大腰筋(腸腰筋・腸骨筋))

側屈痛(回旋)

腰の側屈痛
側屈時に伸ばされる筋肉が、筋緊張を起こしている

主な筋肉
・腰方形筋
・▲中殿筋

ぶっちゃけ鍼灸師

シンプル判別法だと、図でイメージできるので納得ですね!
筋緊張を起こしている部位を絞る事ができれば、治療効果も上げやすいですよ!

前屈も後屈も痛い場合

前屈時にも後屈時にも腰に痛みが発生するケースがあります。
なぜかと言いますと、多裂筋というのはインナーマッスルになり、補助的な役割をしています。
そのケースでは、多裂筋の筋緊張による腰痛を引き起こしている可能性が高いです。
多裂筋
多裂筋
そして、腰の前屈時・後屈時の動かし始めに、働くような存在です。
なので、前屈時も後屈時も痛みを感じます(動かし始めのみ)

多裂筋が原因の腰痛「その他の特徴」
・痛みというより「腰が重だるい」という訴えが多い
イスに座っているときに、「痛み・だるさ」が発生しやすい
・デスクワークなど座り仕事の人に多い
・第4~第5腰椎棘突起のキワに痛みを訴える場合が多い

なぜ、シンプル判別法がおすすめなのか?

注意
一般的な参考書パターンでは、椎間関節の痛みとありますが、
われわれ治療家が、主に対面する腰痛では、椎間関節からの痛みは少ないと思っています。
(スポーツ・外傷による腰痛をのぞく)

腰痛の多くが、重たいものを持つことによる、筋肉の過緊張
もしくは、デスクワークがゆえに、長時間座りっぱなしよるものだと思います。
(つまり座っている間は、ずっと腰の筋肉の筋緊張が起こる)
つまり、シンプルバージョンでの、判別法のほうがしっくり来るはずです。

大腰筋の治療について

ぶっちゃけ鍼灸師

大腰筋は深部にある筋肉なので、なかなか治療しづらい部分ではあります。
しかし、「大腰筋のストレッチや手技」などで検索すると、たくさんの動画などが見つかるので参考にしてください。
ちなみに、大腰筋の鍼灸治療についてはこちらのページで解説しました
大腰筋 図説なにをやっても治らない腰痛に効果的な【鍼灸治療】