なにをやっても治らない腰痛に効果的な【鍼灸治療】

大腰筋 図説

ぶっちゃけ鍼灸師

腰痛を鍼灸で治療するにあたり、有効なツボは
腎兪・大腸兪・志室・委中などがあります。
がしかし、これらを行ってもダメだった場合は、大腰筋刺鍼だいようきんししんが効果的です。

大腰筋刺鍼とは

大腰筋刺鍼とは、その名のとおり大腰筋に鍼をすることです。

大腰筋刺鍼のやり方1

残念ながら、日本の鍼灸学校では大腰筋刺鍼について教えてくれません。
理由は、大腰筋刺鍼は腰の体表から5cm~10cmほど内部にあります。
つまり、5cm以上鍼を刺入しないと届きません。
そのような深鍼は、日本の学校では教えていません。
(中国・韓国の鍼灸治療では当たり前のように治療されています)

大腰筋刺鍼のやり方2(図説)

大腰筋刺鍼の図説
・鍼をする場所は、脊柱から外側5cm
・腰椎の各椎体間の高さを狙います。

使用する鍼の太さ・長さ

・2寸5分~3寸(体格の良い人は3寸5分を使用することも)
・番手は5番を使用
・上位腰椎に向かうにつれて、正中線から近くする(大腰筋が斜めに走行しているので)

大腰筋刺鍼の置鍼時間

  • 最低でも20分は置鍼します。
  • 長くて40分置鍼します。(鍼を抜く際に、抵抗が強ければまだ緩んでいないのでそれを目安にする)
  • パルスは流しません。

大腰筋刺鍼で気をつけること

大腰筋刺鍼で気をつけること
大腰筋を狙う際に、深くまで鍼を刺してしまうと、大腰筋を貫いてに到達してしまうので気をつけましょう。(しかし、ほとんどの場合、大腰筋に到達した際に、針先の感触でわかります。)
L2/3間 、 L1/2間を狙う場合、大腰筋のすぐ前方に腎臓が配置します。
なので、とくに注意して鍼をするか、もしくはL3より下の部位だけに刺鍼するかで対応しましょう。

大腰筋がトリガーとなっていう際の見分け方

  • 腰の前屈時では、痛みがすくないが、後屈時に痛むもの
  • 腰の圧痛がハッキリと表れないのも特徴(中のほうにある筋肉なので)
  • 足のしびれがある(大腰筋から腰部神経叢が枝分かれしますが、大腰筋が硬くなっていると神経を圧迫してしびれがでる)

大腰筋刺鍼の詳細はこちらの本に、詳しく書かれています。

大腰筋刺鍼をするのが怖い場合

たしかに、大腰筋刺鍼テクニックは、学校では教えてもらえません。
ですから、5cm以上も深く刺すことに最初は怖く感じると思います。
(私も最初はそうでした(^_^;))
そのような場合は、大腰筋刺鍼を行っている治療院を探し、見学を頼んでみましょう。
もしくはお金を払って治療を受けたり、講義をお願いしたりしてみましょう。

最後に

ぶっちゃけ鍼灸師

いかがでしょうか。
私も、この大腰筋刺鍼を知る前は、自分の中で治せない腰痛がたくさんありました。
今思えば、それら腰痛のほとんどはこの大腰筋がトリガーポイントになっていたのだと思います。
器質的な病巣がある場合をのぞき、「なにをやっても治らない腰痛」というのは、大腰筋の筋緊張からくるものが大半です。

ぜひとも、鍼灸師であるあなたがこの大腰筋刺鍼を習得して、世の中の治らない腰痛をたくさん治療してあげてください。

「多裂筋刺鍼」については、こちらで解説しています。
腎兪と志室の刺入断面図【腎兪・大腸兪】に鍼をして腰痛が治らない場合、多裂筋を狙え!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です