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拮抗する筋肉を見逃すな!
肩こり・腰痛の治療をする際、痛みの原因となっている筋肉をゆるめると痛みが改善するのはご存知の通りです。
しかし、さらに拮抗する筋肉も緩めてあげると、治療効果がグンと高まるのをご存知ですか?
ではその、根拠をご説明していきます。
根拠の前に、拮抗する筋肉とは
各筋肉には、作用があります。
解剖学で習ったかと思いますが、作用とは、筋肉が付着する関節や骨を「どのような方向へ動かすか」というものです。
拮抗する筋肉は、肘関節を伸展させる上腕三頭筋となります。
ぶっちゃけ鍼灸師
なぜ、拮抗筋も緩めると治療効果があがるの?
例えば、筋緊張からくる背中の痛みを治療するとします。
そこで、菱形筋を緩めると仮定してください。
その場合、「膏肓」などに鍼をしますよね。
(この3つは、作用としては拮抗していませんがあくまでもイメージとしてこの3つの筋肉を挙げました。実際に背中の痛みに対して、この3つの筋肉を緩めてやると効果は高いです。がしかし、メインは菱形筋だったり、背骨のキワの筋肉です。)
反対に、狙っている筋肉だけでなく、拮抗する筋肉も緩めてやることで、相乗して治療効果が出やすくなります。
ですから、常に1箇所にばかり、トリガーポイントを追いかけるのではなく、全体的に捉えるほうが治療も上手くいく事が多いでしょう!
例) 拮抗筋で考えるの治療ポイント
- 僧坊筋ー小胸筋
- 腰部筋肉ー腹筋
- ハムストリングスー大腿四頭筋
- 下腿三頭筋ー前頚骨筋
- 前腕屈筋ー前腕伸筋
などなどこれらはほんの一部です。
ぜひ、いろいろ試してみてください。
また、解剖学的にみて、厳密に「作用」が拮抗していなくても、イメージとして考えていくというのも良いと思いますよ。
裏表で、痛みを感じてる場合もある!
ちょっと今回の、拮抗筋での話とは変わってくるのですが、裏表の痛みを勘違いして訴える場合があります。
どういう意味かといいますと、患者さんが「膝の前面が痛いです」というので、膝の前面に注意して治療をしたとします。
ところが一向に良くなりません。
大腿四頭筋・前脛骨筋・鵞足などに、治療して筋肉を緩めても、痛みは改善しません。
そんなときに、膝の裏を治療してやると痛みが取れる場合があります。
ハムストリングス・膝窩筋・足底筋・下腿三頭筋などです。
これは、裏(反対側)に原因があったのに、患者さんが膝前面の痛みと感じていたと考えられます。
(実際に患者からすれば、そのように感じてしまうケースがあるのでしょう。)
また、この裏表には、次のようなケースもあります。
臀部の痛みだと思っていたら、腸骨の前面についている腸骨筋の痛みだった。という具合です。
このように、患者さんが裏表の勘違いとして痛みを訴えている場合もあるので、結局は、広い視野をもって治療に取り組むと、治せる確率も高まると思います。
今回の拮抗筋とあわせて覚えておくといいでしょう。
このページのまとめ
- 治療の際は、トリガー筋だけでなく拮抗筋も緩めてやると治療効果が高まる
- 患者さんが裏表を勘違い(実際はそのように感じる)して、痛みを訴えるケースもあるので、裏表もみておくと治療効果が高まる
- 治療するにあたり、トリガーポイントがもっとも改善に有効なポイントであることに間違いはないが、広い視野をもつことにより、より治療効果を高めることが可能になる