訪問鍼灸のメリット・デメリット!開業する前に知っておきたい!

【訪問鍼灸】のメリット・デメリットをまとめました!

鍼灸師
【訪問鍼灸】のメリット・デメリットをまとめました。
「これから訪問鍼灸治療を始めようと思っている」もしくは、「【訪問鍼灸のみ】で開業しようと思っている」先生は、参考にしてください。
※注)保険適応での治療についてお話します。実費ではありません。

【訪問鍼灸】のメリット5つ!

○サイン

1.施術所を構えなくてもよい(訪問のみで開業する場合)

これが一番大きなメリットではないでしょうか?
鍼灸院・整骨院が乱立する昨今、潰れてしまう治療院も増えてきました。
理由は、競争が激しいからですよね。
競争が激しいだけでなく、家賃が10万も20万もしたら、廃業せざるを得なくなります。
ところが、【訪問鍼灸のみ】だと、家賃は、自分の住んでいる家だけでOKです。

ポイント
さらに、開業費もほとんどいりません。
なぜなら、治療院の設備を整える必要がないからです。

2.患者さんが離れない

これも大きなメリットです。
患者さんが離れないとは、
例えば、開業鍼灸院だと、ちょっと患者さんが気に入らないと、すぐよそに移ってしまいます。
だって、鍼灸院・整骨院なんて山のようにあるから当然です。

しかし、【訪問鍼灸】の場合だと逆です。
なかなか家まで来てくれる治療家は、少ないんですよ。
だから、とても重宝してくれる。
つまり、患者さんが離れないのです。
5年以上も離れないのはザラです。

ポイント
もう一つ、離れない理由としては、やはり家というプライベートな領域に入って来られるのは、「誰でもいい」というわけではありません。
やっぱり慣れ親しんだ先生が、良いのです。
だからこそ、患者さんもすぐにコロコロと治療家を変えたりはしないのです。

3.治すことを前提としていない・難病のため長期になる

保険適応で、訪問鍼灸治療というのは、「歩行困難の方」が多くなります。
私も、いろいろな患者さんを見てきましたが、歩行困難の方は、「難病」もしくは「ご高齢」になります。
こういった方々というのは、治すことを前提としていないのです。
現状維持を前提としているのです。
「週に3回でも来てもらったら、ものすごくラクだわ~。だから、ず~っと来てくださいね」となるのです。
反対に、開業の場合は、若い人が来て、肩こり・腰痛が治れば、もう通いませんよね。

ポイント
※これはあくまでも、保険適応の患者さんの考え方です。
実費だと、1回で終わったり、治癒したら終了ということが多くなります。

4.単価がよい(往療代をつけやすくなる。)

ポイント
2017年12月時点での、保険適応内での鍼灸治療代は、

  • 治療費・・・1520
  • 1580円に改定

  • 往療料・・・1800円
  • 2300円に改定

となっています。

ポイント
これは、1回の訪問治療につき、1580円+2300を請求できることになっています。
もし、治療院に出向いてもらったなら、1580円しか請求できませんが、訪問だと2300円を上乗せして毎回請求できるのです。
単価が倍以上になっていますね!(´∀`*)

5.訪問での口コミは広がりやすい

【訪問鍼灸】を続けていると、「訪問をやって欲しいのですが、、、」という依頼が、ちょこちょこあります。
というのも、「家まで来てくれる」ということ自体、特化していますので、口コミが広がりやすいのかな~って思います。

ポイント
例えば、訪問に出向いている患者さんから「あそこの奥さんも足が悪いから、来てほしいみたいよ。」とか、
老人ホームに出向いていたら、「あの人もお願いできませんか?」と施設の職員から声をかけられたりするのです。

【訪問鍼灸】のデメリット7つ!

慌てる鍼灸師

1.大変

やはり、訪問というのは大変です。
訪問になると、基本は車ではなくバイクのほうが多くなります。
となると、雨・風・冬場などは、やはり大変ですね(^_^;)
とくに冬場のバイクは、心が折れそうになりますよ(笑)

注意
さらに、雨の日はカッパを着ていても、1日に10件周るとしたら、脱いだり着たりを繰り返します。
そうなると最後の方では、服にがしみこんで濡れてしまいます。
濡れた服で、家にあがるというのは、とても神経を使いますよ。

2.駐車禁止違反のリスク

バイクにしろ、車にしろ、駐車禁止違反のリスクが常につきまといます。
違反金は1万5千円くらいで、点数も減点です。
私も2回経験しましたが、なんのために訪問治療しているのかわからなくなります。

3.交通事故のリスク

どんなに気をつけていても、交通事故のリスクは避けられませんね。
向こうからぶつかってくる場合もありますから、、、。

注意
ちなみに、私の場合ですが、8年間、毎日訪問をして(多い時は1日10件以上)事故は1回だけです。
かすり傷で済みましたが、、、参考までに(;^ω^)

4.時間に追われる

【訪問鍼灸】の場合は、ある程度、訪問する曜日・時間を決めて伺います。
患者さんによっては、「時間通りに来て欲しい」という人もいます。
そういった時に、時間に追われると言うのは、少ししんどいですよね。
特に、訪問だと渋滞がありますので、、、時間にゆとりを持つのもいいのですが、ゆとりを持ちすぎると今度は逆に、時間が余って時間を無駄につぶすことにもなります。

5.時間に縛られる

【訪問鍼灸】の患者さんは、歩行困難の方が多くなります。
そうなると、訪問看護・訪問入浴・ヘルパーなど、他の業者と結構ぶつかります。
患者さんによっては、この曜日・時間はNG!と言われ時間に縛られてしまうのです。

6.歩行困難という文言が少し、敷居が高くなるかも

鍼灸治療を、保険適応にする場合、医師の同意書が必要になります。
医師の同意書をもらうだけでも、少し厄介なのですが、往療代をつける場合、医師の同意書に「歩行困難」という文言が必要になります。
これが、少し敷居が高くなる(もらいづらくなる)ように思います。

7.治療がやりにくい場合が、、、

患者さんの家なので、治療がやりにくい場合が多々あります。

  • スペースがものすごく狭い、、、
  • ベッドではない、、、
  • 部屋が乱雑になっている、、、

などなどです。

8.治療道具を忘れる場合が、、、

訪問鍼灸治療では、忘れ物をする場合があります。
道具一式を忘れることはないですけども、もし以下のものを忘れたらどうでしょうか↓

ポイント
・アルコール綿花
・お灸
・鍼
・鍼を滅菌しておくこと(使い捨て出ない場合)
・パルス
もし、わすれちゃったら、最悪鍼灸治療ができませんよね。
その場合は、さりげなく「今日はマッサージ・リハビリメインにしておきましょうね」なんて言ってごまかすしかありません。
(^_^;)

最後に

患者と鍼灸師
さて、【訪問鍼灸】のメリット・デメリットについてまとめてみました。
こうやってまとめてみると、メリットだけでなくやはりデメリットもありますね~
(;^_^A
しかし、大きなメリットもあるので、訪問鍼灸もやってみたらいいと思いますよ。
これから、訪問鍼灸を始めようと思っている、もしくは訪問鍼灸のみで開業なさる先生方の参考になりましたら幸いです。

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