痛くない切皮のやり方

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

このページでは、痛くない切皮のやり方を紹介します。

痛くない切皮の最大のポイントは、1回で切皮をすることです。

そのように聞くと「なぜ学校では、3回で刺入するように教えるのか?」と思うことでしょう。

それについては、後ほど説明します。
まずは、1回で切皮するやり方(1回法)を解説していきます。

刺入深度について

刺入深度
1回で刺入する深さは3mm~6mmです。
そうすれば、刺入痛がなくなります。

なぜ痛くないのか?

皮膚イラスト
皮膚は「表皮・真皮・皮下組織」と3層状にわかれ、厚さは0.6mm~3mmです。

痛覚は「真皮」などに存在しますので
皮膚を一気に通過したほうが、痛くない(痛覚が反応しない)のだと思います。

逆に、3回にわけて、チクチクチクと真皮を通過したほうが痛覚が反応しやすいと思います。

鍼管の長さ

鍼管と鍼柄の長さ
1回法は、鍼管をやや短くします。
例えば、2寸の鍼を使う時は、「寸6の鍼管」を使用します。

すると鍼柄が出て、1回法をしやすくなります。
ディスポの場合は、ハサミで切って調節したりします。

叩打法

叩打する際は、学校で習ったやり方ではなく特殊な方法で行います。

特殊 示指叩打法
動画のように示指を中指に引っ掛けて1回で振り下ろします。

この時、鍼管は叩かないように注意します。
3回法だと、手首のスナップをきかすように習ったと思いますが、1回法では手首は固定します。

この方が、簡単なので「痛くない切皮」の再現性は高いと思います。

実演

(動画をごらんください)
実際に私の足でやってみましょう。

私が学生の頃、学校の先生が「大都・太白あたりに、無痛で刺入できたらたいしたものだ」と言っていました。
なので、「大都・太白」あたりにやってみましょう。
足に切皮

私は実際に、1回法に変えてから、患者さんから切皮痛をほとんど言われなくなりました。

ぶっちゃけ鍼灸師

みなさんもぜひ試してください。
では、最後に「なぜ学校は3回法なのか」を紹介します。

なぜ3回法?

昔は、国家試験でも実技テストがあったようです。
試験官の身体に鍼を刺すのですが、銀鍼(寸6・3番)と指定されていたようです。

ところが、銀鍼は柔らかく、一度に3mm以上刺入しようとすると、曲がってしまうので3回にわけて切皮するようになったのだとか。

現在もそのなごりで、3回法で教えているのでしょう。

ぶっちゃけ鍼灸師

ですが、現在主流のステンレス鍼ならば1回法でも曲がりません。
それなら、1回法を利用する手はないですね。
ぜひ、参考にしてください。