鍼の好転反応を詳しく解説(鍼の後で痛くなる理由)

鍼の好転反応詳しく解説

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

鍼をした後に痛くなる場合がありますが、好転反応と呼ばれるもので問題ありません。
こちらでは、鍼の好転反応が起こる理由を詳しく解説します。

鍼の好転反応とは

好転反応とは、身体が良くなる方向に向かう過程で一時的に痛みが強くなったと感じるものです。

「鍼の好転反応」は大きくわけて3つに分かれるので、順に解説していきます。

1:知覚神経によるもの

ポイント
肩こり・腰痛・神経痛など、筋肉の凝り(締め付け)によって起こりますが
あまりにもひどい凝りだと知覚神経を締め付けすぎて知覚鈍麻(麻痺)を起こしている状態です。
知覚神経を締め付ける筋肉

(筋肉は硬いので運動痛は起こります)
鍼によって、筋肉が緩んできたら知覚神経の締め付けも少しずつ緩みます。
知覚神経が緩む筋肉

その時に、痛みが一時的に強くなったと感じてしまうのです。

わかりやすく正座で例えると

知覚神経の回復を足の正座で例えます。
正座を1時間したとします。
正座イラスト

すると、足は感覚がなくなりますよね。
これは長時間、知覚神経が締め付けられて麻痺を起こしたからです。

この状態から、足を崩すとどうなるでしょうか。
足がビリビリと痛みますよね。
正座のしびれ

この状態が「知覚神経の好転反応」です。
正座のビリビリは時間が経てば治まります。

それと同じ様に、好転反応による痛みも時間が経てば治まりますし、改善に向かっているので、鍼治療は継続したほうがよいでしょう。

2:疲労物質によるもの

鍼の後に、痛だるさが残る場合があります。

理由としては、凝り固まった筋肉の内部には
(酸素不足によって)疲労物質が溜まっていますが
疲労物質が溜まっている筋肉
筋肉が鍼で柔らかくなると
血流が良くなり、疲労物質が血流に乗って流れていきます。
疲労物質が流れる筋肉
この過程で、筋肉痛のような痛だるさを感じる場合があります。
疲労物質はやがて、腎臓から排出されるので問題ありません。

こちらも、筋肉を緩めている(治している)からこそ起こる反応です。

3:痛みの優先順位によるもの

人間の身体は、痛みの程度によって優先順位をつけています。
そして、上位のものだけ感じるようになっています。

例えば、首の痛みが100背中の痛みを70だったとしましょう。
痛み解説
普段は、首の痛みしか感じなくなります。

ところが鍼によって、首の痛みが50まで下がると、今度は、「背中が痛くなりました」となるのです。
痛み解説2
これは、もともと背中が悪い状態で、首が改善してきたために、感じるようになったものです。

よって好転反応と言えるでしょう。

最後に

鍼灸師なら、状況に応じて患者さんに説明してあげると
不安を取り除くことができますし、患者の離脱を防げます。

患者さんなら、不安をなくし治療を続けることができると思います。
ただし、好転反応ではなく「内出血」などで痛みが出る場合もあるので
まずは、担当してもらった鍼灸師に相談してみましょう。