大腰筋を安全に刺鍼するテクニック1(深さ編)

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

大腰筋は、人によっては10cm近く刺入する場合があります。
腰の深部には腸がありますので、これから紹介するテクニックを知らないと危険です。

1:まずは深さを選定する

まず、L4/5の起立筋に直刺し、椎弓で止めます。
その時の深さによって、大腰筋に使う鍼の長さも決まります。
大腰筋刺鍼の鍼の長さ
普通体型の場合、起立筋が寸6で椎弓に当たったとすると、
大腰筋下位(L3番~L5番)は3寸を使用し、
大腰筋上位(L1番~L2番)は2寸5分を使用します。

2:安全深度について

肋骨突起から下2cmは安全深度です。
大腰筋刺鍼 安全深度
なので、最初に椎弓で止めた鍼を2cm以上超えて深くは刺さないようにします。
そうすれば、大腰筋を貫くことはないので安全です。
また、先程の表を参考にして、大腰筋の鍼はすべて皮膚から鍼体を2cm残すようにすれば安全です。
大腰筋刺鍼 安全深度2

3:刺入感覚も考慮する

慢性的な腰痛持ちのほとんどの人が大腰筋が硬くなっています。
大腰筋が硬いと、鍼尖が到達した時に、グニャリとした感触に変わるので(慣れていると)すぐにわかります。
なので大腰筋に到達してから、1~2cm刺入してとめます。
大腰筋刺鍼 安全深度3
そうすれば、大腰筋を貫くことはありませんので安全です。

ぶっちゃけ鍼灸師

余談ですが、大腰筋が硬くなりすぎて「キャラメル」ぐらいの硬さだったり、
「ビーフジャーキー」ぐらいの硬さになっている人も見かけます。

注意

ぶっちゃけ鍼灸師

以上が、大腰筋を安全に(絶対に腸に到達しない)刺鍼するテクニックです。
初めて大腰筋刺鍼を行う場合、必ず熟練者からの指導を受けてからにしてください。
今回は「深さ編」でしたが、次回は大腰筋の安全な「位置編」を紹介します。