鍼灸の出血は悪くない(刺絡の効果)

動画で解説

このページの内容を簡単に動画でまとめています。


以下、画像による解説です。

ぶっちゃけ鍼灸師

鍼灸治療をしていると抜鍼後に出血することがあります。
鍼灸師によっては出血が「悪いこと」だと思っている人もいるかもしれませんが、鍼灸治療において出血は「良いこと」です。

その理由を2つの観点からご説明します。

1:悪いところは出血しやすい

東洋医学では経絡(血管)の流れをよくして治療するという考えがあります。
経絡の滞りには「筋肉のこり」「毛細血管の怒張」が起こるといわれています。

毛細血管が怒張していると、鍼灸治療において出血しやすくなります。
つまり、抜鍼後に出血したということは
「ここの筋肉が悪い(原因)だろうという術者の予測」が当っていた可能性を高めるのです。

2:出血は血流をよくする(瘀血の改善)

筋肉のこりを放置していても治らない理由として以前の動画で紹介しましたが簡単にいうと
「筋肉がこる」→「血管が締め付けられる」→「筋肉が栄養されなくなる」→「筋肉がさらに硬くなる」これの繰り返しです。

古典には「古い血あらば新血生まれず」というようですが、イメージとして車の渋滞があればなかなか進まなくなります。
車の渋滞
ですが、渋滞を取り除けばスイスイ車は流れます。

車と同様に邪魔になっている瘀血が取り除かれると、次に新鮮な「酸素・栄養」を含んだ血が流れてきて筋肉を栄養します。
すると筋肉が柔らかくなり血管の締め付けを和らげ、血流を改善し悪循環を断ち切るのです。

注意
注意点として今回は毛細血管における「瘀血」に限っての話であり、
首の椎骨動脈などをわざと狙うことは絶対にしないでください。

ぶっちゃけ鍼灸師

以上の2点から鍼灸治療における抜鍼後の出血は「悪くない」といえるでしょう。
これを知っていれば、出血時に慌てる必要もないでしょうし、
患者さんに説明してあげると「不安」もとりのぞけると思います。