頚椎症とは?症状・原因・治療法を解説!ツボも紹介!

ぶっちゃけ鍼灸師

こちらでは、病院の整形外科に勤務する鍼灸師が「頚椎症」を解説します。
東洋医学的見地も含めています。

頚椎症とは?

椎体の画像
頚椎症とは、頸椎の変形・椎間板のズレ・椎間関節ついかんかんせつの変形・靭帯じんたいの肥厚という変形(変性)によって、痛みを生じる病気のこと。
(レントゲン上での頸椎の変形が強い場合は、「変形性頚椎症へんけいせいけいついしょう」と呼ばれます。

頚椎症の症状は?

  • 初期の症状は、肩こり・首こりです。
  • 症状が進むと、首の痛みが生じます。
  • 痛みが出ると、首を動かしづらくなります。
  • 頸椎にある「神経根しんけいこん」が圧迫されると、腕や手にしびれが出ます。(神経根症と言う)

頚椎症の原因は?

頚椎症のハッキリとした原因は、明らかになっていません。
椎間板が狭くなっている様子
しかし、もっとも有力に言われているのが椎間板ついかんばんの変性です。
まず、頚椎症は、神経が圧迫されるために起こります。
では、神経を圧迫する原因としては、頸椎の変形・椎間板のズレ・椎間関節の変形・靭帯の肥厚などです。
これらの原因を引き起こすのが、椎間板の変性からくるというのが有力です。

頸椎画像

ポイント
椎間板とは、コラーゲン繊維からできているので、柔らかいです。
柔らかいこそ、首はよく動くのです。
しかし、重たい物をもったり、姿勢が悪いパソコンで長時間同じ姿勢のために、椎間板に負担がかかります。
それに加えて、老化によって、椎間板が衰えると、変性していくのです。

ちょうど、機会のネジが取れたら、あちこち悪くなるように、首の椎間板が変性すると、首の関節に負担がかかり、首の筋肉が固くなるだけでなく、頸椎の変形・椎間板のズレ・椎間関節の変形・靭帯の肥厚というものが起こるのです!

頚椎症は2つに分かれます!

ポイント
頚椎症は、

  • 頚椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょう
  • 頚椎症性神経根症けいついしょうせいしんけいこんしょう

の2つに大きくわかれます。

頚椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょう」の特徴

頚椎症性脊髄症

  • 60歳以上に多い
  • 肩、腕だけでなく、足にも症状(しびれなど)が出るのが特徴
  • 両手に症状がでるのも特徴
  • 神経根症を合併することがある(脊柱管が狭くなった時に神経根の出口も圧迫することがあるため)
  • 服のボタンがかけられないなど、指の細かい動きができなくなります。

頚椎症性神経根症けいついしょうせいしんけいこんしょう」の特徴

頚椎症性神経根症

ポイント
  • 左右どちらかの腕に症状が出るのが特徴。(左右同時に、両方の神経根が圧迫されるのはまれという理由)
  • 上の方の神経(C1~4)が圧迫されると、頭部に向かう神経が通っているので、頭痛・めまいなどが起こる
  • 下の方の神経(C5~8)が圧迫されると、腕~指のしびれが出る。

頚椎症のセルフチェック方法

ポイント
  1. 動かさないのに、首回りが痛む
  2. 頭痛がひどい
  3. 肩がパンパンに張っている
  4. 首を回すと痛い
  5. 腕が上がらない
  6. 手がしびれる
  7. 首を動かすと音がする

・1~3個頚椎症の可能性あり
・4個以上 頚椎症の可能性大

頚椎症の検査は?

変形性頚椎症のチェックが多くあてはまったのなら、病院(整形外科)での診察をおすすめします。
整形外科での診察の流れは以下です。

ポイント
問診
医師と話して詳細を伝える

ポイント
身体所見
医師が首の動きを見たり、実際に触って検査すること

ポイント
画像検査
レントゲン・MRIなど

頚椎症の治療

病院(整形外科)での頚椎症の治療は一般的には、このようになっています。

ポイント
頸椎カラー
首のコルセットをして、首の負担を軽減する
ポイント
温熱療法
ホットパックやマイクロ波を使って、首を温める治療
ポイント
けん引治療
首を引っ張る機械によって、首の緊張を和らげる
ポイント
投薬治療
薬によって、痛みを押さえたり、血流を改善したりする。
ポイント
注射治療法
神経ブロック注射と呼ばれ、言ってみれば麻酔です。
(トリガーポイントブロック・硬膜外ブロック・神経ブロックなどがある)
ポイント
手術
基本的に、首は、医師でも手術を勧めません
むしろ、手術後に出現する痛みは、治りにくく、手術のメスが関係していると言われています。
頚椎症は、手術以外の保存療法(手術をせずに経過をみること)が中心となります。
ただし、手の運動障害・歩行障害・頻尿・失禁などの、強い症状が出た場合は、神経の圧迫がヒドイので、手術が勧められます。

頚椎症は、ほとんどが治る!?(東洋医学的観点)

さて、私、「ぶっちゃけ鍼灸師」ですが、鍼灸整骨院や病院のリハビリで10年以上勤務した経験から言わせてもらいます。
8割以上の頚椎症の方が、治ります!(緩和する)
その理由はなぜか、、、
それは、肩こり・首こりを改善すると、神経の圧迫が緩和するからです。

【神経圧迫の緩和】を図で表すと↓

コリが強い場合の神経
コリが弱い場合の神経
たとえ、骨の変形(骨棘こつきょく)があったとしても、その上にある筋肉が柔らかくなると、症状がとれるのです。
なぜなら、圧迫が弱まり神経のダメージ最小限にするからです。
圧迫が弱まると、症状が消える場合がほとんどなのです!


ポイント
なので、たとえ頚椎症の症状があったとしても、まずするべきことは肩こり・首こりを治すこと。
そのためには、首をホッカイロで温めたり、マッサージを受けるようにしてください!
※神経根症は、ほとんど治りますが、脊髄症の場合はほとんど治りません。ご注意ください。

メモ:関連ページ

メモ:見分け方

ポイント
  • 首を動かして楽になるのなら、筋肉のコリ由来の「しびれ・痛み」
  • 動かすと、ピキッと痛むのは、神経の損傷の可能性があり

自分で頚椎症(首こり)を治す方法はこちら

首シャワー

変形性頚椎症の場合、お風呂の浸かる前に首にシャワーをあてるのも有効です。
「温かい」と感じる40℃~42℃がベストです。
首の筋肉がほぐれたり、血流が改善する効果があります。
もちろん、シャワーだけでなく、湯船に浸かるとさらに体には良いでしょう。

足裏の反射区(足つぼ)

足には、体全体の反射区(足つぼ)というものがあります。
反射区とは、足のある部分が、体の内臓・器官に対応していると考えます。
そして、反射区を刺激すると、対応する内臓・器官の症状が改善するというものです。
足の反射区
※頸椎の反射区は、両足の親指の外側です。

足の反射区のやり方(頚椎症の場合)

  • 足の親指を10回ずつ上下に伸ばす(両方)
  • 足の親指を右に10回、左に10回グルグルと大きく回す(両方)
  • 両足の親指の付け根(図を参照)をボールペンなどを使って、刺激する。
  • これらを毎日、朝晩行う

頚椎症に効果のある手のツボ

首の痛みに効くツボはこちら

頚椎症に効果のある漢方薬

独活寄生丸どっかつきせいがん
体の疲れ・冷え・関節痛・鎮痛作用
※漢方薬は必ず、医師または、薬剤師とご相談ください。

最後に鍼灸師から一言

ぶっちゃけ鍼灸師

さて、頚椎症と病院で診断されてしまうと、とても不安に感じると思います。
がしかし、上記で説明したように、頚椎症の分類のなかでも、筋肉のコリをほぐすだけで、簡単に症状が改善してしまうケースがほとんどです。
頚椎症で悩む多くの人は、病院にしか行ってないために、西洋医学でのアドバイスしか受けていない状態です。

そのような方々は、一度、東洋医学的なアドバイスを受けてみるといいと思いますよ。
筋肉のこりをほぐしてくれるような場所は、マッサージ院・整骨院・鍼灸院などです。

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